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負のスパイラル

by Kahei Suzuki posted at 2007-10-04 11:33 last modified 2007-10-04 11:33

先日も取り上げたジェリー・パーネルのコラムにこんな記述がある。

出版社がある著者の本を5万部出荷し、実売率が60%だとする。これはかなり良い。しかし、3万部しか売れないなら、そんなにたくさん出荷する必要がある のかと出版社は考えるだろう。出版社は同じ著者の次の本は4万部出荷する。これも60%の実売率だ。その次はたった3万部しか出荷されない。その次は、例 えばその著者の本があまり売れなかったとすると、新しい著者を試してみよう、となる。

これは、出版社に勤めていればよくある話で、特に珍しい話じゃない。日本でもアメリカでも出版社がやっていることは何もかわらない。

でもこれは負のスパイラルだ。

実売部数が少ない → 適切だと思われる数まで刷り部数を下げる → さらに実売部数が下がる → しかたなくもっと刷り部数を下げる → 利益が出ないほど実売部数が下がる → 出版中止

経験則で言うと、刷り部数を下げると必ず実売部数が下がる。刷り部数を下げて、実売部数を維持できたことはまず無い。

雑誌がこのスパイラルに入り込むと悲惨だ。坂道を転がり落ちるように実売部数が下がっていって、あっという間に休刊になる。

刷り部数を下げれば実売部数が下がる。このことは出版社の人間なら誰でも知っている。わかっている。でも、やめられない。

刷り部数を維持したからといって、実売部数を維持できる保証はない。保証が無いことは皆怖い。怖いからやらない。やれない。

刷り部数を維持して、実売部数を伸ばすために努力すべきなんだろうが、これがなかなかできない。

このままではまずいという気持ちは強いが、スパイラルを抜け出す方法は見つからない。

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